かたがみ木工ラボ

自作家具のガタつきを直す!簡単な修正で安定した使い心地

自作家具のガタつき、気になりますよね。でも、落ち着いて対処すれば、簡単な修正でしっかり座れる安定感を取り戻せます。まずは、ガタつき具合をチェック。1mm以上の隙間があれば、工作用ノコギリで脚をカット。少しの揺れならサンドペーパーで調整できます。ノコギリで修正する時は、定規で測ってから慎重に切り進めるのがポイント。サンドペーパーは、脚を擦りながら少しずつ削り、完璧なバランスを目指しましょう。これで、ガタつきもなくなり、もっと使いやすくなります。

(Posted:2024.12.11)

この記事で扱う道具
tool_base
基本の道具
tool_ksaw
工作用
ノコギリ
tool_clump
クランプ

自分で材料を加工して組み立てると、大抵の場合、多少なりガタつきが出てしまいます。そのまま使うのはなんだか悔しい…ということで、ガタつきの修正の仕方を2つ紹介します。

まずはガタつき具合をみてみよう

できたあがったものをできるだけ平らな床(またはテーブルの天板の上など)に置いてみましょう。そして座面や天板を指で押してみてください。その時どのくらいガタつきがあるでしょうか。その程度によって修正の仕方が異なります。

短い脚(浮いている脚)は伸ばすことができないので、長い脚を切ったり削ったりして調整していきます。

床との間に隙間が1mm以上空いている

床との間に隙間が1mm以上空いている場合は、工作用ノコギリを使い脚先を切って修正します。

わずかなガタつき
このくらいのわずかなガタつきであれば、サンドペーパーを使って脚先を削って調整します。

5mm以上隙間がある場合には、組み立て時に部材が大きくずれてビス留めされていたり、部材同士の間に隙間が出来てしまっている可能性があるため、一度全体を見直して、必要に応じて一度木ネジを外して再度ビス留めし直してみてください。

工作用ノコギリを使って修正する

この修正で必要な道具は、定規、鉛筆、工作用ノコギリ、クランプ、ノコギリガイド用木っ端(広葉樹)です。
手順は次の通りです。
①定規を使って脚がどのくらい浮いているか測る
②カットする脚に線を引く
③ノコギリを使って脚先を切る
順に解説しましょう。

①定規を使って脚がどのくらい浮いているか測る

脚先が「床から何ミリ浮いているか」を測る

まずは脚先が「床から何ミリ浮いているか」を測ります。定規を床に置いて浮いている脚の先端までの距離を測ります。

②カットする脚に線を引く

カットする脚に線を引く

四つ脚の場合、短い脚の隣の脚のどちらかをノコギリで切って修正します。(2WAYスツールの場合、脚が、座面・幅広い脚2本の三つ脚なので修正するのは幅広い脚のどちらかになります。)
同じように定規を当てて、修正する脚に①で測った距離を鉛筆で印をつけます。

③ノコギリを使って脚先を切る

コギリを使って脚先を切る

カットする線が引けたら、ノコギリガイド用の木っ端の木口面(年輪が見える木の断面)側をその線に合わせて、クランプで止めます。
木口面に工作用ノコギリをそわせながら動かして脚先を切ります。
・今まで以上に力を抜いて優しく切ること
・ガイド用の木っ端からノコギリを離さないこと
この2点がポイントです。

ガタつきを再度チェック

修正が終わったらガタつきを再度チェックしてみましょう。
まだわずかなガタつきであれば、次に紹介するサンドペーパーでの修正方法をためしてみましょう。

サンドペーパーを使って修正する

サンドペーパーを使って修正する

平らな床に置いてみて、ほんの少しだけカタカタと揺れる時は、サンドペーパーを使って修正します。設置している方の脚の下にサンドペーパーを敷き、サンドペーパーがずれないように押さえながら、脚を床に擦るように動かします。
少しずつ削ってはガタつきを確認して、削り足りなければ繰り返し同じ要領で削って調整します。
ガタつきがなくなったら完了です。

実は、生活空間で平らな床というのはなかなか存在しません。ガタつきが多少あっても、できた家具を少し移動したり回転させるだけでガタつきがなくなったりします。ご自身が許容できる程度も合わせて修正するかどうかを検討してみるのがよいかと思います。

この記事の著者

大沼勇樹
大沼勇樹おおぬま・ゆうき
DIYデザイナー
グループ モノ・モノメンバー

DIYデザイナー。1987年山形県生まれ。千葉大学工学部デザイン工学科(現デザイン学科)卒業。東京都立城南職業能力開発センター・木工技術科で家具製作を学ぶ。2013年に「使う人と一緒に考えながら、ものづくりを楽しむ」をテーマに“gyutto design”(ギュットデザイン)を設立。DIYサポート、ワークショップを通じて工作の楽しさを伝える活動を続けている。『杉でつくる家具』では作品製作・工程解説・撮影を担当。

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