家具DIYの組み立て作業はここがポイント!キリとドライバーの使い方で強度が決まる!
木工の組み立て工程では、キリで下穴を開けて木ネジをスムーズに締める準備を整えます。下穴を開けないと木が割れたり、ネジが斜めに入ってしまうことがあるので、このひと手間が大切です。次に、木ネジに合ったドライバーを選び、力を抜いてしっかりと締めていきます。部材同士をぴったり引き寄せるためには、ネジを事前に少しだけねじ込んでおくとスムーズに作業が進みます。もし隙間ができてしまった場合は、もう一度部材を引き寄せて再調整すればOK。ちょっとした工夫で、しっかりとした強度を持つ仕上がりになります。
(Posted:2024.12.10)
材料への墨付けとノコギリで材料の加工が終わったら、いよいよ部材を組み立てていきます。組み立ての工程で使う主な道具は、キリとドライバーです。
キリで下穴を開ける
まずは木ネジで留める部分にキリで下穴を開けます。下穴を開けないで木ネジをねじ込むと、木が割れてしまったり、木ネジが木目に沿って進んでしまい、思った方向に進まないリスクがあるため、ネジ留めする際は必ず下穴を開けましょう。
キリを使う時は、先端を下穴を開ける位置に合わせて柄尻を叩いて材料に軽く刺し、手のひらで柄尻を包むように持って、刃の先端に向かって体重を乗せて手首を捻りながら穴を開けます。
下穴の深さは、部材の厚さの半分程度で大丈夫です。
ドライバーは木ネジに合っているものを選ぼう
使うドライバーは、木ネジのプラスのサイズとあっているものを選びましょう。(商品に付属しているのはプラス2番の木ネジです。)ドライバーのプラスと木ネジのプラスの溝がしっかり噛み合っていないと、木ネジに力を伝えることができません。
ドライバーもキリと同様に、柄尻を手で包むように持って、先端に向かって力を加えて使います。キリと違うのはドライバーと部材の間に木ネジがあることです。木ネジをねじ込む方向が床や作業台といった下向きの場合には、しっかりと手で押さえ、体重をかけてねじ込みます。
ドライバーでネジ留めする
部材同士を合わせて木ネジで固定する時、それらの部材を手で引き寄せた状態で木ネジをドライバーでねじ込んでいきます。隙間ができないようにネジ留めすることが大切です。
しかし、固定する箇所によっては水平方向や斜め方向に力を加える必要があります。その場合には、ひと工夫が必要です。
この状態だと木ネジがフラフラしてしまいねじ込むのが難しい。
そんな時は、部材同士を合わせる前に、事前にネジを部材にねじ込んでおくと作業がしやすくなります。ドライバーが使いやすい位置に部材を置いて、木ネジの先端が見えるまで部材にネジをねじ込みます。こうすることで、接合する部材同士を合わせてドライバーで木ネジを少しねじ込むだけで固定することができ、安定して作業を行うことができるようになります。
手で引き寄せながらネジ留めするのが難しい場合、写真のように、部材の相手方をしっかりと手で引き寄せ、力が伝わるような状態で作業を行うとビス留めがうまくいきます。力が加えやすい向きや体の位置を工夫してしっかりネジ留めしましょう。
木ネジの頭と部材がツラになるまでねじ込みます。
部材の間に隙間ができてしまったら
ビス留めがうまくいかず、部材の間に隙間ができてしまうと、強度が十分に得られません。この時は、ねじ込んだ木ネジを一度外し、もう一度部材同士をしっかりと引き寄せて、ドライバーで木ネジに力を伝えながらねじ込んでいきます。
木ネジを外したら、もう一度部材同士をしっかりと引き寄せて、ドライバーで木ネジに力を伝えながらねじ込んでいきます。写真のように手で引き寄せても良いですが、難しい方はクランプや木っ端を使って工夫して、力を加えやすい配置を探しましょう。
隙間がなくなったら大丈夫です。
この記事の著者
グループ モノ・モノメンバー
DIYデザイナー。1987年山形県生まれ。千葉大学工学部デザイン工学科(現デザイン学科)卒業。東京都立城南職業能力開発センター・木工技術科で家具製作を学ぶ。2013年に「使う人と一緒に考えながら、ものづくりを楽しむ」をテーマに“gyutto design”(ギュットデザイン)を設立。DIYサポート、ワークショップを通じて工作の楽しさを伝える活動を続けている。『杉でつくる家具』では作品製作・工程解説・撮影を担当。